スキーで学んだ人生のこと

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「三寒四温」とはよく言ったもので、

数日前は半袖になれるくらい暖かかったのに、今日は朝、雪がはらはら舞うほどに寒い。

異常気象でこんなに天気が変わりやすいのかと思っていたけど、こんな言葉があるってことは昔からそうだったのかと変に安心する。

仕事が終わって帰宅し、もっともっと寒いところを目指して、雪を求めて車を出す。小さなキャンピングカーに改造したバモスに、スキー道具を詰めて。

目的地は群馬のホワイトワールド尾瀬岩鞍!今回で人生3回目のスキーになる。この前は2月に山形の蔵王スキー場に行った。前回滑ってほぼ1年経っていたので、初心者同然。

山形でのスキーの思い出を振り返る。

初心者コースが45度の傾斜に感じた。人も沢山いるし「ぶつかったらどうしよう。こわい」そう思ったらもうダメ。パートナーのスキルはプロ並み。

一生懸命教えてくれるんだけど、こうして、こうやるんだよ、みたいに言われても、こうはどうやるのよ?と初心者の私。どうやるのと言われてもこうだよ、みたいな返事しか返ってこない。ダメだ、なんだか楽しくなくなってきた。右の親指も何故か突き指みたいになっちゃって痛む。

負けず嫌いなところがある私。周りでスイスイ滑ってる人が不思議でたまらないし、人生でこんな転び方することある⁈って転び方する自分が笑えて情けなくなってきた。負けず嫌いだし、生真面目な私は、こういう時に上手く楽しめない。

私にずっと付き添って滑れない彼にも申し訳なくなりしばらく休むことに。YouTubeで初心者スキーの動画で学んでみる。

どうやら、もう少し上に行くと人が少なさそうなコースがあったよと彼が迎えに来た。ここで諦めるなんて自分が嫌いになりそうと感じて行くことに。

ほんとだ、さっきみたいに混んで無いし傾斜も緩やかだ。ターンの練習をやってみる。どんどん立てている時間が長くなってきた。私の前でまだ小学生くらいの女の子2人がクラスを受けていて、ちょうど私と同じターンの練習をやっている。先生の言葉はまるで私にも言っているみたいに、その通りにやってみると出来るではないか!「お、できた」と思う回数に比例して、楽しくなってくる。「こわい」という気持ちが無くなると不思議と身体が思い通りに動く。

調子に乗った私は、山の頂上にあるスノーモンスターを見に行こうという誘いに軽々と了承してしまった。山の頂上はホワイトアウトしてるし、圧巻のスノーモンスターが違う星に来たような気にさせてくれた。

景色は最高だった。さぁ、あとは滑って戻るだけ。生まれたてのフカフカの雪に幅の狭いコース。また派手にすっ転ぶ。また「こわい」に頭が占領される。そうするとさっき学んだように身体が思うように動かなくなってくる。どんどん「こわい」に襲われて立ってもいられなくなる私。

結局最後はスキー板を外して歩いて山を下るという結果に。

最後は結局、私のスキー経験は「こわい」に占領され終わってしまった。

ここ最近ずっと「安心」の中にいた私。「安心」の中にいた時間が長い分「こわい、恐怖」には一段と敏感になってしまっている。

自分を「恐怖」から引っ張り出して、自分の気持ちをコントロール出来るのは、これからの人生を自分でコントロールすることに大いに関係してくると思う。

前回は「こわい」で終わってしまったスキー。自分で自分を試すような感じだけど、今回はどう感じるのか、前回より少しでも「こわい」を跳ね返すことができるのか。

夜22時の高速で周りの車のライトをボーッと見ながら考える。

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